九州ソフトウェアテスト勉強会の勉強会でワークショップの実験をしてきました!
暑い日が続いていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
なそです。7月14日(土)に福岡でワークショップを開催してきました。
以前に参加したことのある勉強会の題材をお借りして、初心者向けのテスト設計ワークショップを開催してきました。
nagasaki-it-engineers.connpass.com
この中で、「数取器 - Wikipedia」のテスト設計をしてみようというお題がありました。ボタンが数個、処理は複雑ではないアプリケーションのテスト設計でしたが、実にシンプルで考えやすかったです。綺麗にテスト設計できたかは別問題ですが......
今回のブログでは、実際にこのワークショップをやってみたいか方向けに何を思ってワークショップを作っていったか、ワークショップのシナリオやタイムテーブルを書いています。これからワークショップを作ってみようとか思っている人にも参考になるかもです。
テーマ:なんかすごいと呼ばれる勉強会ではなくて、参加者が明日から意識できる勉強会に。
私のゴールとしては、「なんだよ。俺でもこんなワークできるよ」って思ってもらえれば勝ち!(勝ち負けではないですが......)
ワークショップ開催にあたって、意識したことは以下の通りです
簡単な情報
- 90分のワークショップ
- 最低参加人数は4名+1名講師(実はいなくてもいいような気がする)
人員の配置
- なるべく同社同士、チーム同士で組んでもらって、業務に送り込む
- 4人または6人を1つのテーブルに配置する
- ちょっと狭いくらいがちょうど良いかも
スライド
- 簡単ではなく、易しくする
- 単調ではなく、メリハリをつける
- 2枚1組とし、印刷できるようにする
- 印象をポジティブなアクティブにするために暖色を使用する
時間の配分
- 説明を受け、やってみたいことを与える時間を作る
- 1人で考える時間と2人でディスカッションする時間を作る
- 上記の繰り返しを行う
時間を意識するための施策
- 極端すぎるほどのロールプレイ
- 世界を狙う「数取器」
- リリースは明日。これは必達
場所・雰囲気
- わかったよりも楽しかったを優先
- いつもと違う場所にきたという緊張感と高揚感を与える
- チャレンジする場所
- 相談に乗ってくれる先輩は隣の人
- 1回のマインドマップを書く時間は10分〜15分くらい
- 思考の発散するための手法
- 今回はあえて縛りを入れて、よりテスト設計に向けた思考の誘導を行う
進め方
- 質問を受けたら負け
- 他に集中することがないように目の前のマインドマップに集中してもらう
必要な道具
- B3のスケッチブック
- カラフルな色のペン
- ふせん
スライド
ワークショップのシナリオ
タイトル:やってみよう!かいてみよう!テスト設計
キーワード:ワークショップ、テスト設計、反復、マインドマップ、ペアテスト
対象者:
テスト設計者
テスト設計を学びたいテスト実行者
テスト大好きすぎる人
なんとなく来てみたかった人
内容:
皆さんは、テスト設計をどう思いますか?
やり方がわからない
十分に網羅できているかわからない
いろんな人がいろんな方法を言っていてわかんない
わかんないだらけではないでしょうか?
では、みんなでテスト設計をしてみませんか?
今回は普段一緒に仕事をしたことがある人と組んでみて、テスト設計をやってみましょう!
何も難しいことはありません!普段とちょっと違うことをしてみましょう♪
そして、モヤモヤすることが本ワークの目的の一つでもあります。これだけやればオーケーというのはないです。
ロールプレイ:
ある日、あなたは先輩から
URLが送られてきました。
開いてみると数取器のWEBアプリが表示されました。
先輩からこのテストケースを書いて欲しい。お客さんはこのアプリで世界を狙うらしい。
リリースは明後日。これは必達です。
リリース判定には、テストケースと結果が必要になる。説得できるように考えて欲しい。相談には乗るから。
さて、みなさんどうしましょうか?
登場人物:
自分:ワークする人
先輩:隣の人
上司:なそ(でも、普段いない)ふらっと来て、色々喋っていなくなる人
ワークショップの基本的な流れ
個人ワーク:自分との対話
共有ワーク:自分の意見を伝える
→ 次にやってみたいことを付箋に
→ 次のページの左上に書く
まずここにきたのがすごいので、今日は特別な日です。
なそはすごくない。ここにきた人の方がすごい!じゃもう少しだけ勇気を出してみましょう♪ これがチャレンジです!
タイムスケジュール:
自分たちは今いつもと違う場所にいることを無意識化に叩き込む。そうすると少しだけアクティブになることを意識しています
1.テストを考えてみて
頭の中で。(1分) ここはみんなポカーンでもOK
注意:みんなに聞くと時間かかるしイメージが固定化されるので、聞かない方が良い
よくバグを見つける人の頭の中はどうなってるんだろうと思いませんか? きっとこんな風になっている人もいると思います!少しずつ近づきましょう
2.テスト設計の説明
【今?】テスト準備
【今?】テスト設計→テスト実施
【にしさんの資料】テスト要求分析→テストアーキテクチャ設計→テスト詳細設計→テスト実装→テスト実施
テスト設計(テスト要求分析→テストアーキテクチャ設計→テスト詳細設計→テスト実装)している人はテスト設計というタスクの中で、いろんなタスクをこなしていたことになります。
設計者はすごい!
3.マインドマップを使う前の説明
説明が必要。通常自由に描くことがマインドマップであるが、今回はテストに使うと言うことで多少の縛りを入れつつ、効率的に洗い出していく必要があります
ほかにもあるよ!頭の整理に使うことが多いかなぁ。
書き方の注意をした方が良い。どちらかと言えばアドバイス
論理が飛んでいる。分解の話をする必要あり
ものを分解する方法も必要。車を構成する部品は?みたいなの
なぜ、これを思いついたのか
4.マインドマップの説明
- セントラルイメージ
- メインブランチ
- ブランチ
- 想いや記憶、コンテキスト
5.ワーク①(10分)
とりあえず描いてみる
6.共有①(8分) YWT
ここで話が盛り上がらないと上記のいくつかが達成できていないかも
(改善点)YWTを書く場所作ってもよいかも
(悩み)スケッチブックの使い方でも良いかも。でも、自由に使ってもらいたいのもあるからなぁ
7.マインドマップの広げ方
- MECE
- 抽象化
- 具体化
- 自分の経験
- バクの経験
(マインドマップでは、ペットと天気の例)
8.ワーク②(10分)
7を意識しながら、YWTのTを意識しながらもう一回描いてみる
9.共有②(8分)
10.マインドマップのガイドを説明(6W2H CIBFW)6W2H
- When,Where,Who:いつ、どこで、だれが:顧客視点
- What,Why,How:なにを、なぜ、どのように:開発視点
- Whom,How many:だれのために、どのくらい:顧客の顧客視点
CIBFW
- Condition;条件
- Item:項目
- Behaivor:ふるまい
- Fault:失敗
- World:世界
Condition + Item + (Fault) + World → Behaivor
11.テンプレート:いろんなとこで使うやつはまとめてもいいよ(ハコと呼ぶ(なそ談) ラベルと入れるものは揃える)→説明しない方が良いかも
→意識してもらう時間ないので、却下となりました ToT
12.ワーク③(10分)
13.共有③(8分)
ここから座学(ここのワークは別途検討中)
14.テストケースの話ここでやっとテスト技法の登場
- 境界値分析
- 同値分析
- デシジョンテーブル
- 状態遷移テスト
- その他技法
15.テストケースを考えてみる
境界値分析であっても、テストレベルを意識しない場合は無駄なテストケースを作成することになってしまう
今どんなテストがやりたいかをしっかりと意識してテストケースを書きましょう
どうでしたか?
広がったり、広がらなかったりと色々だと思います。
頭にテストベースのマップを広げることでよりよいテスト設計ができてきます。
昔確認したバグとかを思い出しながらテストしたりすることでも対応できます。最初は難しいです。少しずつやってみてください!
一つ一つの技術を組み合わせることで大きくことを成すことができます。
ソフトスキル ここでは対人スキル、コミュニケーション全般を指します
なぜ、90分のギリギリの枠の中にソフトスキルを入れたかというと、プレイベントでやった時に「そうは思わないなぁ」という否定をされている方がいたからです。マインドマップに限らずにもったいないなぁと思い、今回はこういうところを鍛えていこうとワークショップに取り入れました。思考を発散させるものに、広がりの否定はNGですからね
しかし、これも紆余曲折ありまして......
色々と悩みました。どうやって紹介するかとか
「いつものですが……」という出だしがいいかな?
枕言葉がないと、「何言っているのそんなの知っているよ」ってなりそうなので......
さらにどんな風に紹介するかとか(原案では2パターンありました)
☑️映画の出だしみたいな感じで
□10の盟約 ノーゲームノーライフ
どうせなら、より印象に残って欲しいので、自分が印象に残っているのを考えて見たところで「映画の放送前の注意」と「ノーゲームノーライフ」が思いつきました。映画の出だしみたいにグラレコで描いたら印象に残るかなと前者を選択しました
アナウンスする内容も最初は10個ありました
- 耳を傾けよう
- 話は最後まで聞こう→どういうことだろう?
- うなづいてみよう
- 話過ぎない→どういうことだろう?
- 非難しない→否定しない
- ×反応する
- ×喧嘩腰にならない
- ×熱くなるのはオーケー
- ×話を促す
- ◉みんなで仲良くワークしましょう!
ゆるっとファシリテーターさんに相談したところ
・傾ける→傾けよう(語尾を少し甘くするという手)
・簡単そうな感じに見せてハードル下げる
・あ、気を付けなくちゃいけないことは、7個くらいまでの方がいいかも? 10個とかあるとおぼえられないというか、認識できないはず。
・話を促す…とかは具体的にイメージしにくいかもなので、こういうことかな?ってイメージつく言葉とか画とかにしてあげるといいかも?
・同時に識別できる最大が7個だから、まぁおとしどころは内容と数のトレードで…かなぁ?
さすがです
完成したアナウンス。画像で柔らかくなったはず......
(しれっと週間テストラジオLifeにしてます)
ここからは考慮したこと
人の組み合わせ
組み合わせも悩みました。結論的には、会社の人がいるなら組んでもらおうという流れです
🌟会社の人で組んでもらう
・バラバラに組んでもらう
・レベル合わせて組んでもらう
最初は普段組まない人 かつ レベルが似通った人とやってもらうことを前提としていましたが、
自分のレベルが上がったと感じるのはどの時点だろう?
誰が高めてくれるんだろう?
一時的には、レベルの高い人と組んだ時に引き上げられる
→大部分がその人がナビゲートしてくれるから。
→その感覚を元にトレースできたら?
→その感覚が自分でも再現できたら?
という自問自答から
レベルを合わせて組むよりもレベルが違う人と組むのがベスト
なおかつ、自社でも実践して欲しいので、強制的に仲間を作ってしまおうということで、同社の人を優先的に組めるように席と案内をお願いしました
スケッチブック準備問題
そんなに問題になってはいないと思うんですが、50冊のスケッチブックを用意してもらいました。本当にありがとうございました。これは私のわがままだったのですが、コピー用紙を3枚とかでもよかったとも思っていますが、3連続でマインドマップを描くので物としてまとまっていた方が復習しやすいし、スケッチブックインパクトも狙って印象に残りやすくしたかったのです。そのあとの発表でそのままメモ用紙にもできますしおすし
大きな紙に大きく描くっていう経験だけでも、印象に残りやすいと思っています。その記憶を残すには、やはりコピー用紙3枚よりもスケッチブックが必要だと感じています
持って帰るのが大変だった人、本当にすみませんでしたm(_ _)m
1対50問題
どう考えても、ワークショップをやるためには補佐があと5〜6人が必要になります
しかし、人数問題と打ち合わせ問題(情報共有をする時間)があり対応時間がありませんでした
もう割り切って、1人で全部やってみようということで資料は全部配る。進行に合わせてめくってもらう。さらにペアワークショップを導入しようという流れでした
ペアワークショップ
2人1組になってもらって、2人で解決してもらう
ワークショップを進める人は、どんな風に進めているかというの見るだけ。2人1組でも解決できない問題を回答するが、ワークショップの中身については回答しない。今回でいう登場人物の先輩をロールと定義することで強調性が生まれればいいなぁという狙い
資料を配るということは、中身が先に読まれるということなので、表紙にデカデカと開くの禁止と印刷しています。だって、中見られるとネタバレるんだもん.......
また、1回目、2回目、3回目と組み合わせを変更しました。これは他の人のマインドマップを見てみたいとプレイベントであったためです。実際やってみて、移動は大変そうでしたが効果は高かったように感じます
このブログを公開することで、実際にやってみようという人が少しでもいたら良いなぁと思っています。何か不明点等あれば、Twitter等で連絡ください!なるたけ返答しようと思いますゆえに
それでは、なそがお送りしました♪